神戸新開地で見た50年代はじめの映画の話
I was working for a sign board shop for the movie theaters in Kobe only four months.I saw most impressive movies during this time because I was age 16, and free admissions with a perk.
List among the foreign movies: Des Freiherrn vom Munchhausen wunderbare Reisen und Abenteuer, Samson and Delilah, The Red Shoes, Sous le ciel de Paris coule la Seine, Viva Zapata!, Riso Amaro, Only the Valiant.
神戸の映画館専門の絵看板屋美巧社に4ヶ月いた。16歳の頃だからもう二年くらい居たかのように感じられる。それくらい色々な出来事があった。古賀さんが神戸一番の絵看板画家だった。それにその弟子の播磨さんと、雑用を担当する山田さんと、それに同じぼんさん(見習い)を勤めるやはり16-7歳の前田、藤本、宮田がいた。他に字書きの佐久間さんと関野さん。不思議に名前を忘れない。私はほとんど雑用係だったが、幾らか絵の事を先生に教えてもらった。それというのも私は神戸では画家の間で、紙芝居を描く子どもがいるとすでに知られていたのである。いやそのことを書くのではない。その時にしばらくは止めてからも顔パスで神戸の主要映画館はほとんど入れた。そのもっとも衝撃的だった時期に見た忘れ得ない映画の題名を羅列したいのである。
若尾文子の10代の性典、黒沢明の姿三四郎、同じく虎の尾を踏む男たち、ほら吹き男爵の冒険、ビクター・マチュアのサムソンとデリラ、赤い靴、パリの空の下セーヌは流れる。シルヴァーナ・マンガーノのにがい米、マーロン・ブランドの革命児サパタ、グレゴリーペックの勇者のみ、池部良の袴垂保輔(予告編、池部がカッコウ良かった)。
List among the foreign movies: Des Freiherrn vom Munchhausen wunderbare Reisen und Abenteuer, Samson and Delilah, The Red Shoes, Sous le ciel de Paris coule la Seine, Viva Zapata!, Riso Amaro, Only the Valiant.
神戸の映画館専門の絵看板屋美巧社に4ヶ月いた。16歳の頃だからもう二年くらい居たかのように感じられる。それくらい色々な出来事があった。古賀さんが神戸一番の絵看板画家だった。それにその弟子の播磨さんと、雑用を担当する山田さんと、それに同じぼんさん(見習い)を勤めるやはり16-7歳の前田、藤本、宮田がいた。他に字書きの佐久間さんと関野さん。不思議に名前を忘れない。私はほとんど雑用係だったが、幾らか絵の事を先生に教えてもらった。それというのも私は神戸では画家の間で、紙芝居を描く子どもがいるとすでに知られていたのである。いやそのことを書くのではない。その時にしばらくは止めてからも顔パスで神戸の主要映画館はほとんど入れた。そのもっとも衝撃的だった時期に見た忘れ得ない映画の題名を羅列したいのである。
若尾文子の10代の性典、黒沢明の姿三四郎、同じく虎の尾を踏む男たち、ほら吹き男爵の冒険、ビクター・マチュアのサムソンとデリラ、赤い靴、パリの空の下セーヌは流れる。シルヴァーナ・マンガーノのにがい米、マーロン・ブランドの革命児サパタ、グレゴリーペックの勇者のみ、池部良の袴垂保輔(予告編、池部がカッコウ良かった)。
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空母エンタープライズ、レーダーで殲滅された日本軍
ネットフリックス*でドキュメンタリー「エンタープライズ」を観ている。3次元コンピューターグラフィックスを多用し、戦闘参加者の証言を連ねる。 10のエピソードからなり長いので少しずつ観ているのだが、昨日のエピソードはトラック島の日本軍を攻撃する場面、初めてレーダー誘導で夜間攻撃を仕掛け、圧倒的な戦果を上げる場面。要するに日本軍の軍艦や輸送船、対空砲や貯蔵施設が狙い違わず爆砕される。その前には、エンタープライズなど艦隊を攻撃に行った日本軍機(一式陸攻機)がほとんど、対空砲やヘルキャット艦載機で撃墜される場面をやっていた。従来と違ってアメリカ軍がレーダー (電波探知機)を新たに採用して非常な効果を上げたという報告である。
ヘルキャットに撃墜される一式陸攻機
これじゃ負けるのは当たり前、大和魂も武士道もへったくれもない。あっという間に軍艦も輸送船も飛行機も無くなってしまった。陸軍もガダルカナルで、戦友を喰う地獄に落とされる。戦うどころではない。後は日本全国の都市が空爆されて国民が塗炭の苦しみを味わうことになった。
負けた勝った、誰が責任か? といろいろありますが、基本的には科学技術で負けたと言うことがこのドキュメンタリーから伝わってきた。あ、そうか、そういうことだったのか、レーダーが無かったなんて、そんなの物資が足りなかったと言うような話ではなかった。生産能力も物資も不足する国の軍隊がかくも簡単に消されてしまっては戦にもならない。
まあ何ですね、武田の騎馬軍団が織田の鉄砲隊の前に絶滅させられるのと同じですね。日本軍は海軍も陸軍も正確に照準を合わせるレーダーの前に絶滅してしまった。ところが昭和19年の春に、すでに日本軍が電波探知機で負けているという情報が一部の人には分かっていたようだ (太平洋戦争日記、伊藤整、新潮社版)。知らないのは一般の国民ばかりだった。
古来戦争は科学技術の優劣が勝敗を決めてきた。鉄剣を使う民族が、銅剣を使う民族を征服してきた。この場合製鉄法を開発した民族が征服者になった。あまりにも分かりきったこの事実を日本海軍は無視してきたという。日露戦争では有名な下瀬火薬の高性能でロシア艦隊を絶滅したという実績があったのに、その歴史の教訓は無視されて、ただでかい軍艦で海上決戦するのが勝因と思い込んだ。海軍兵学校、一体何を教えていたのか? 敵前回頭とか、作戦ばかり教えたのか? 日本はそれまで科学技術は模倣するものと思い込み自ら開発しなかったとある人が書いていた。
空母エンタープライズ
ともあれ、そういうわけでエピソードが進むにつれて、不快感はだんだん強まる。起こってしまったことに別の結果はないから、始末が悪い。この内容だから日本では放映されなかったと思われる。
ところで最後の第10話、カミカゼのエピソードでは涙を禁じ得ない。26機が出撃して25機が艦載機と対空砲で撃墜されるが、たった一機残ったゼロ戦が雲間から急降下して、熾烈な対空砲火の中、激突し、エレベーターを120メートルの高さに吹き上げる。戦艦武蔵をも葬ったエンタープライズはこの攻撃によって空母としての機能を失い、修理のため回航され、その後日本が降伏したため二度と復帰することはなかった。
激突と爆弾の爆発によっても遺体は残っていたそうで、早大の学徒出陣兵だった富安俊助中尉の名は、明らかになった。シングルで空母エンタープライズを不能にしたとナレーションは繰り返した。18年ほども前に、鋼鉄の空母に突き刺さったゼロ戦を再現するアメリカ人作家の彫刻をソーホーの画廊で見て感銘を受けたことがある。柔らかな身体を持った人間の精神は鉄鋼をも貫く。しかもなおその柔らかな身体を残すのだ。
私の記憶にない年長の従兄弟は、昭和20年、フィリッピン沖で、カミカゼの一員として果てた。他の隊員と共に新聞一面に発表されたが、何と言う隊名だったか覚えていない。
ところでこのドキュメンタリーを観ても、アメリカの科学技術称揚がこれでもかとばかりに強調される。この国ではよいも悪いも、感覚に依るものが軽視され、常に同じ結果を生む科学だけが重視される理由が、明々白々に浮かび上がる。効率重視と結びついて、平時にもその価値基準はこの国の文化を支配する。機械を真似るアートが主流になる。そこでは人間、機械に比べて信頼に足りない不確かな存在としての人間は、軽視される。頭脳だけが尊重され、手や足など人間の身体、機械に劣る恣意的な人間の能力が蔑視される。
* Netflixは今話題のテレビネットワーク・ビジネス。月$7.95で見放題だが、まだ見始めたばかりだが、日本映画のタイトル数も少なくはないようだ。また日本語で放映する場合が多い。鈴木清順の映画「ピストルオペラ」があったので見たが、コリャ、シュールで分かりにくい。私はマックミニからシャープテレビにHDMI ケーブルで繋いで観られるようにした。(日本映画は用意されているタイトルを見てしまうともう無いと思われた。韓国映画はかなりあった。全体の索引がないので,あまり見なくなり,2-3ヶ月で止めた。)

これじゃ負けるのは当たり前、大和魂も武士道もへったくれもない。あっという間に軍艦も輸送船も飛行機も無くなってしまった。陸軍もガダルカナルで、戦友を喰う地獄に落とされる。戦うどころではない。後は日本全国の都市が空爆されて国民が塗炭の苦しみを味わうことになった。
負けた勝った、誰が責任か? といろいろありますが、基本的には科学技術で負けたと言うことがこのドキュメンタリーから伝わってきた。あ、そうか、そういうことだったのか、レーダーが無かったなんて、そんなの物資が足りなかったと言うような話ではなかった。生産能力も物資も不足する国の軍隊がかくも簡単に消されてしまっては戦にもならない。
まあ何ですね、武田の騎馬軍団が織田の鉄砲隊の前に絶滅させられるのと同じですね。日本軍は海軍も陸軍も正確に照準を合わせるレーダーの前に絶滅してしまった。ところが昭和19年の春に、すでに日本軍が電波探知機で負けているという情報が一部の人には分かっていたようだ (太平洋戦争日記、伊藤整、新潮社版)。知らないのは一般の国民ばかりだった。
古来戦争は科学技術の優劣が勝敗を決めてきた。鉄剣を使う民族が、銅剣を使う民族を征服してきた。この場合製鉄法を開発した民族が征服者になった。あまりにも分かりきったこの事実を日本海軍は無視してきたという。日露戦争では有名な下瀬火薬の高性能でロシア艦隊を絶滅したという実績があったのに、その歴史の教訓は無視されて、ただでかい軍艦で海上決戦するのが勝因と思い込んだ。海軍兵学校、一体何を教えていたのか? 敵前回頭とか、作戦ばかり教えたのか? 日本はそれまで科学技術は模倣するものと思い込み自ら開発しなかったとある人が書いていた。

ともあれ、そういうわけでエピソードが進むにつれて、不快感はだんだん強まる。起こってしまったことに別の結果はないから、始末が悪い。この内容だから日本では放映されなかったと思われる。
ところで最後の第10話、カミカゼのエピソードでは涙を禁じ得ない。26機が出撃して25機が艦載機と対空砲で撃墜されるが、たった一機残ったゼロ戦が雲間から急降下して、熾烈な対空砲火の中、激突し、エレベーターを120メートルの高さに吹き上げる。戦艦武蔵をも葬ったエンタープライズはこの攻撃によって空母としての機能を失い、修理のため回航され、その後日本が降伏したため二度と復帰することはなかった。
激突と爆弾の爆発によっても遺体は残っていたそうで、早大の学徒出陣兵だった富安俊助中尉の名は、明らかになった。シングルで空母エンタープライズを不能にしたとナレーションは繰り返した。18年ほども前に、鋼鉄の空母に突き刺さったゼロ戦を再現するアメリカ人作家の彫刻をソーホーの画廊で見て感銘を受けたことがある。柔らかな身体を持った人間の精神は鉄鋼をも貫く。しかもなおその柔らかな身体を残すのだ。
私の記憶にない年長の従兄弟は、昭和20年、フィリッピン沖で、カミカゼの一員として果てた。他の隊員と共に新聞一面に発表されたが、何と言う隊名だったか覚えていない。
ところでこのドキュメンタリーを観ても、アメリカの科学技術称揚がこれでもかとばかりに強調される。この国ではよいも悪いも、感覚に依るものが軽視され、常に同じ結果を生む科学だけが重視される理由が、明々白々に浮かび上がる。効率重視と結びついて、平時にもその価値基準はこの国の文化を支配する。機械を真似るアートが主流になる。そこでは人間、機械に比べて信頼に足りない不確かな存在としての人間は、軽視される。頭脳だけが尊重され、手や足など人間の身体、機械に劣る恣意的な人間の能力が蔑視される。
* Netflixは今話題のテレビネットワーク・ビジネス。月$7.95で見放題だが、まだ見始めたばかりだが、日本映画のタイトル数も少なくはないようだ。また日本語で放映する場合が多い。鈴木清順の映画「ピストルオペラ」があったので見たが、コリャ、シュールで分かりにくい。私はマックミニからシャープテレビにHDMI ケーブルで繋いで観られるようにした。(日本映画は用意されているタイトルを見てしまうともう無いと思われた。韓国映画はかなりあった。全体の索引がないので,あまり見なくなり,2-3ヶ月で止めた。)
テーマ:ドキュメンタリー映画 - ジャンル:映画