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2009-01

「ニューヨークでカユイカユイはなし」

 出かけようと思ったが-8℃では出る気になれない。好天ながら処置無し。そこで気になる皮膚病の話を書くことにする。
 私は日本で暮らしている間、皮膚病に罹ったという記憶がない。ところがアメリカでは何度かひどい痒みを伴う皮膚病に罹った。ワールドトレードセンター地区のビルにあった診療所の日本人看護婦さんの話では、アメリカには日本人にはなじみの無い菌がいっぱいあるので皮膚病に罹りやすいということだった。彼女は黒人の画家と結婚していて、作品の写真を見せてもらったことがあるが、9.11には生き残ったが、診療所がアップタウンに移転した後、癌で亡くなられた。
 私はプロスペクトパークYMCAのジムに通っていたので、皮膚病を移されやすかったかも知れない。マシントレーニングの後でトルコバスに入っていた。以前に書いたことがあるが、ひどい痒みが全身からジェニタルのパートに広がって、そこが腫れ上がってしまって、しばらくは戻らなかった。まるで車のマフラーのように膨張した。あまりに立派なので、トルコに入った時に、ぶらぶらさせて入ることにした。別にそこで黒人諸氏の“なに”が巨大であるという事実を目撃したわけではないが、まあ先入観でそう思いこんでいる面があった。で、今回はここまで巨大であれば対抗できるだろうと露出して歩いたのである。アホだねえ(笑い)。
 もう一度もう少しマイナーな皮膚病に罹った時は、丁度研修で来ていた東大病院の皮膚科の先生に話して、二つ組み合わせの塗り薬をもらって治ったことがある。彼は楽器の演奏が趣味で下町の多分アマチュアバンドに参加していたのである。
 
夕暮れのソーホー 夕暮れのソーホー、ブルームストリート

 今回は夏頃に罹った。週に一度英文の添削をしてもらう近所の若い友人がいる。数年前に子供が出来て生活も大変だろうが、どういう訳か働かないで毎日どこかを放浪しているようなのである。私はしかしそのことには一切立ち入らない。噂ではアル中だということだが、そうだからこそ週に一度電話してきて訪ねてきてくれて英語を見てくれる。最初に安い友達値段で1時間のお礼を払う約束をした。もしアル中なら酒手を供給する人をイネブラーと呼んで、褒められない立場になるので、そういうことには立ち入らなかった面もある。日本人にはいないと思うくらいに人柄がいいし、ヒューマニストでリベラリスト、推理小説、映画、マンガ好きのオタク青年で、私と話が合うが、しばしば約束は守れない。約束の守れない人はバイトさえも出来ないのだと納得した。
 手足に湿疹が出て、痒くなったので、ジンマシンだろうと思い、その有名な薬の名を彼に聞いたりした。後で思い出したらその時に彼が長い足をボリボリ掻いていた。で、何か虫でも部屋にいるのかと不安になった。ジンマシンの薬を買って飲んだが、以前は一回で即座に効いた薬が効かない。そのうちに彼が1時間いて帰った後で猛烈に手足が痒くなる事に気が付いた。
 近所の晶子さんが、皮膚に塗るオイルやら、バスに入れるエプソン・ソルトやら、注射の時に使うラビング・アルコールをスプレーする方法など教えてくれた。彼が帰った後すぐにアルコールを撒いて、塩を入れた熱湯の風呂に入って、残っていた塗り薬も付けてみたりして、大わらわで二三日すると回復したが、彼が来るとまた足元からワーッとめちゃめちゃに痒くなって、あげくは手も顔も頭も痒くなる。彼は話している間中、鼻も耳も首筋も頭もひっきりなしに掻いていた。

夜のカナルストリート 夜のカナルストリート

 「誰か皮膚病の友達がいるのか?」と、とぼけたことを晶子さんに聞いたらしい彼も、私が「これはジャームで、空気中に飛んで感染するのではないか?」と追求したら、「あの部屋がもしかすると悪いかも知れない」「熱湯のシャワーを浴びる」などといってスキン・ディディーズを認めた。
 結局の所、他の理由も重なって、私は彼との英語のセッションを止めてしまった。彼はもう来なくなったけれど、胸に出来た湿疹は治らず、そこら中モシャモシャと痒い状態も治らない。塩風呂に何度も入り、衣類や寝具も熱湯消毒をし、塗り薬も付けたけれど効果無し。もう部屋中にばい菌がはびこってしまったのか。そのうちに寒くなってきて部屋にヒーターも入ったからか、「こんな事は、前は無かった」と自問する状態が続いた。
 友達のロッキーが、それはもしかすると空気が乾燥しているせいではないか? といった。「年取ると皮膚が乾燥しやすくなる」という。彼は生活能力に欠けているが、妙に頭はいいのである。私などはそういう知識は即座に忘れてしまう。その彼とは関係ないかも知れな いよ、という。
 いやそんなわけはないよ。いきさつを考えれば、それに気持ちで痒くなるったって、普段無意識で何も考えていない時に、やたらに痒くなるのだから。で、ターゲットに行って加湿器を買ってきて、スチーム暖房で常夏状態の部屋にクールミストを発生させ埃を吸わせた。で、幾らか、やたらに水を飲まなくなったと同時に、痒みも収まったかも知れない。いや、薬局で調べて、疥癬とか皮膚疾患に効くという薬を買ってきて、塗ったからか状態は改善されたように思える。
 病院へ行けって? いや何も病院へ行ければ苦労しない。私はアメリカで保険が無く、もし行ったら200ドル(2万円)くらいは即座に消える。あの友達も無職では保険があるわけもなく、これが世界に威信を問えるような世界一の大国か? と嘆いている次第である。

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テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

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