ハリケーン「サンディ」、ブルックリンの一週間
今日3日土曜日、快晴気温は8℃、プロスペクトパークのグリーンマーケットに行った。先週の土曜日、マーケットから帰った後、パニック状態の友達からの電話でハリケーンを知って情報を調べたのだった。
経過を言うと、翌日曜の午後7時に全地下鉄が止まり、午後9時にバスが止まった。低地ゾーンA全域に強制避難命令が出たが、その時間までに避難しなければ、車がない限り、どこにも移動出来ないことになった。私は近くのスーパーに醤油を買いにいった。いつもよりは慌ただしい様子の買い物客がレジに並び、パンの棚は空になっていた。で、風が強くもならず、一向に雨も降らないのでもっぱらインターネットで情報を調べていた。翌月曜朝の8時頃上陸という情報なので、ニューヨーク・ポスト紙が、翌日出した見出し「ウエイティング・ハリケーン」という状態だった。
ところが月曜朝になっても裏庭の木々がざわざわと揺れているものの一向に風雨も強まらない。この日、私は1日仕事をして、作品を一点完成させた。そうしていくつかのテレビ・チャンネルが一日中流しているライブ画面を見ていた。ロングアイランドの海岸にいるアナウンサーは打ち寄せる波の映像をバックにさほど立っているのが辛そうにも見えず、その上大人や子どもがテレビの画面に出て来て手を振っていた。ニュースでは深夜にピークになるという。やがて高潮時が心配と言うことになり、電力会社がローワーマンハッタンと一部ブルックリンの電力供給をストップして、真っ暗なビル街の映像が出るようになった。
その頃にはやっと風雨は強まり、時折凄い音を立てて道路を突風が走った。台風と違ってハリケーンは瞬間的な突風が吹く。けれど風向きから窓には風が吹き付けない。道路を時折走り抜ける。そうして時折、チカチカと電灯が点滅したので、実際に恐れた。もし停電になったら今夜は寝ればよいが、そうなると当分復旧しないだろう。ブルックリンの電線などは戦前のものがそのまま現役なのである。
ただ私のところはプロスペクトプレースと言われるようにまさに「見晴らし台」だから浸水の心配だけはない。電話を後でするといった友達からは電話が掛からず、翌日の火曜になってもとうとう電話がなかった。それでメールを出した。別の友達から木が一杯倒れているが停電も無く無事だという電話があった。他に東京の友達からの見舞いのEメールなどがあった。

折れた枝 プロスペクトプレース 倒れなかった老木 グランドアーミープラザ
水曜夜になって返信メールが届いた。電話が出来なかった、やっとメールが出来た、車は半分水に浸かっているし、爆発音が聞こえて人がアパートから飛び出して来るし叫び声は聞こえるし、取りいそぎ、とあった。
木曜になって私から掛けたが、途中で切れて、その後掛けても、掛け直せとアナウンスが聞こえるだけだった。金曜になってようやくいくらか話せたがレセプションが悪く、途切れてよく聞こえなかった。ただ今回もう疲れたので日本に帰りたくなった、と言ったのは聞き取れた。ATT&Tから「復旧に最大限の努力をしている」と、テキストメッセージが来たそうである。無事は分かったし途切れ途切れの会話では苛立つし、その後電話はせずメールをした。
地下鉄は一週間後の今日、土曜日、私のアパートから近い三つの駅グランドアーミープラザの2、3、セブンスアベニューのB、Q、クリントン・ワシントンのE、全ラインがストップしたままである。F、Dなど一部のラインはブルックリンでも動いているが、マンハッタンへはシャトルバス利用になり、長蛇の列が出来ているようだ。何よりも今回は海岸に近く浸水した地域の被害が大きく、停電が追い打ちを掛け、有線の電話会社ベライゾンは大きな損害を出して業績が悪化したくらいで、電話の不通がかなりの範囲で起こった。又月曜の当日犬の散歩に出たカップルが倒れた樹の下敷きになって死ぬなどの話も伝えられて、このような自然的被害を受けたことの無いニューヨーカーに深い精神的傷害を残したようである。
しかしこのハリケーンの進路変更は地球温暖化の影響とも考えられ、これから毎年襲われるとすれば、古い都市ニューヨークは首都機能を寸断され、その働きを失うことになるかも知れない。毎週末、修理のためにニューヨーク地下鉄の路線変更、運行停止は常態だったが、もうそんな間に合わせ修理では追いつかない。人と同様に都市も老化し、やがて死滅の時を迎えるだろう。今回のハリケーンは実害以上に深い心的傷害をそこに住む人にもたらしたかも知れない。何も被害の無かったはずの私も又、私自身の問題、最悪の祖国の状態に重なってディプレッションが深まっている。
さて一週間外に出ず、「好奇心のないやっちゃナー」とあきれられた私だが、今日初めて外に出て見た。直ぐ斜め前に街路樹が途中から折れて大きな枝が道に落ちていた。しかしアーミープラザの公園に行ったが、どこにも倒れた木は見当たらなかった。このあたりは進路から少し外れていたのか? 相当の今にも折れそうな老木がちゃんと立っていた。それにもう満員のグリーンマーケットで食品を買い占める人もいなかった。ハリケーン前に姿を現したネズミが、あらゆるトラップに掛からず今日また姿を現した。「サンディ」ベイビーをネズミに大量出産されそうで不安が強まっている。
経過を言うと、翌日曜の午後7時に全地下鉄が止まり、午後9時にバスが止まった。低地ゾーンA全域に強制避難命令が出たが、その時間までに避難しなければ、車がない限り、どこにも移動出来ないことになった。私は近くのスーパーに醤油を買いにいった。いつもよりは慌ただしい様子の買い物客がレジに並び、パンの棚は空になっていた。で、風が強くもならず、一向に雨も降らないのでもっぱらインターネットで情報を調べていた。翌月曜朝の8時頃上陸という情報なので、ニューヨーク・ポスト紙が、翌日出した見出し「ウエイティング・ハリケーン」という状態だった。
ところが月曜朝になっても裏庭の木々がざわざわと揺れているものの一向に風雨も強まらない。この日、私は1日仕事をして、作品を一点完成させた。そうしていくつかのテレビ・チャンネルが一日中流しているライブ画面を見ていた。ロングアイランドの海岸にいるアナウンサーは打ち寄せる波の映像をバックにさほど立っているのが辛そうにも見えず、その上大人や子どもがテレビの画面に出て来て手を振っていた。ニュースでは深夜にピークになるという。やがて高潮時が心配と言うことになり、電力会社がローワーマンハッタンと一部ブルックリンの電力供給をストップして、真っ暗なビル街の映像が出るようになった。
その頃にはやっと風雨は強まり、時折凄い音を立てて道路を突風が走った。台風と違ってハリケーンは瞬間的な突風が吹く。けれど風向きから窓には風が吹き付けない。道路を時折走り抜ける。そうして時折、チカチカと電灯が点滅したので、実際に恐れた。もし停電になったら今夜は寝ればよいが、そうなると当分復旧しないだろう。ブルックリンの電線などは戦前のものがそのまま現役なのである。
ただ私のところはプロスペクトプレースと言われるようにまさに「見晴らし台」だから浸水の心配だけはない。電話を後でするといった友達からは電話が掛からず、翌日の火曜になってもとうとう電話がなかった。それでメールを出した。別の友達から木が一杯倒れているが停電も無く無事だという電話があった。他に東京の友達からの見舞いのEメールなどがあった。


折れた枝 プロスペクトプレース 倒れなかった老木 グランドアーミープラザ
水曜夜になって返信メールが届いた。電話が出来なかった、やっとメールが出来た、車は半分水に浸かっているし、爆発音が聞こえて人がアパートから飛び出して来るし叫び声は聞こえるし、取りいそぎ、とあった。
木曜になって私から掛けたが、途中で切れて、その後掛けても、掛け直せとアナウンスが聞こえるだけだった。金曜になってようやくいくらか話せたがレセプションが悪く、途切れてよく聞こえなかった。ただ今回もう疲れたので日本に帰りたくなった、と言ったのは聞き取れた。ATT&Tから「復旧に最大限の努力をしている」と、テキストメッセージが来たそうである。無事は分かったし途切れ途切れの会話では苛立つし、その後電話はせずメールをした。
地下鉄は一週間後の今日、土曜日、私のアパートから近い三つの駅グランドアーミープラザの2、3、セブンスアベニューのB、Q、クリントン・ワシントンのE、全ラインがストップしたままである。F、Dなど一部のラインはブルックリンでも動いているが、マンハッタンへはシャトルバス利用になり、長蛇の列が出来ているようだ。何よりも今回は海岸に近く浸水した地域の被害が大きく、停電が追い打ちを掛け、有線の電話会社ベライゾンは大きな損害を出して業績が悪化したくらいで、電話の不通がかなりの範囲で起こった。又月曜の当日犬の散歩に出たカップルが倒れた樹の下敷きになって死ぬなどの話も伝えられて、このような自然的被害を受けたことの無いニューヨーカーに深い精神的傷害を残したようである。
しかしこのハリケーンの進路変更は地球温暖化の影響とも考えられ、これから毎年襲われるとすれば、古い都市ニューヨークは首都機能を寸断され、その働きを失うことになるかも知れない。毎週末、修理のためにニューヨーク地下鉄の路線変更、運行停止は常態だったが、もうそんな間に合わせ修理では追いつかない。人と同様に都市も老化し、やがて死滅の時を迎えるだろう。今回のハリケーンは実害以上に深い心的傷害をそこに住む人にもたらしたかも知れない。何も被害の無かったはずの私も又、私自身の問題、最悪の祖国の状態に重なってディプレッションが深まっている。
さて一週間外に出ず、「好奇心のないやっちゃナー」とあきれられた私だが、今日初めて外に出て見た。直ぐ斜め前に街路樹が途中から折れて大きな枝が道に落ちていた。しかしアーミープラザの公園に行ったが、どこにも倒れた木は見当たらなかった。このあたりは進路から少し外れていたのか? 相当の今にも折れそうな老木がちゃんと立っていた。それにもう満員のグリーンマーケットで食品を買い占める人もいなかった。ハリケーン前に姿を現したネズミが、あらゆるトラップに掛からず今日また姿を現した。「サンディ」ベイビーをネズミに大量出産されそうで不安が強まっている。
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